#1 工学院大学附属中学校・高等学校のインターナショナルコース/クラスとは?
工学院大学附属中学校・高等学校は、東京都 八王子市に位置する、私立中高一貫校です。
このnoteは、その中でも特色のあるインターナショナルコース/クラスについて中心に紹介していきます。
本日はまず、学校の概要をご紹介します。
インターナショナルコース/クラスとは?
近年様々な学校で、帰国生(国際生という通称もあります)を受け入れるコースが新設されてきました。これは一重に、いわゆる伝統的な日本的教育とは異なる文化で育った子供たちの進学先確保の必要性や、国際性のある環境にて教育を受けさせたいという需要の増加などによるもので、本校でも2015年に新たに、インターナショナルコース(高校)/クラス(中学校)が新設されました。
本校は、工学院大学八王子キャンパスに隣接し、高大連携プログラムや大学施設の利用など、大学附属ならではのメリットを兼ね揃えています。中学校は2クラス(インターナショナルクラスと先進クラス)、高校は3コース(インターナショナルコース、先進文理コース、文理コース)のいずれかを選択することができ、帰国生が多く在籍するインターナショナルコース/クラスには、国内外から異なる教育文化を背景に持つ生徒や、海外からの留学生も在籍しています。
学校公式HP
特色① カリキュラム
まず中学校では、英語に加え、数学と理科を英語で履修するイマージョン教育を提供しています(その他の教科は日本語履修)。特に英語教授の教科については、10人を超える日本国外出身の教員が、多様な経験を活かし、海外出版社のテキストや映像素材などを活用しながら、知識編重ではなく思考力を養うアプローチを授業に取り込んでいます。
高校では、希望の進路に応じて更にカリキュラム選択が細分化します。英語については、「英語で」学ぶアプローチが更に深化し、文学や、対話を中心とした哲学の授業などを通じ、批判的思考力を育成する学びを進めます。数学、理科、社会も、一部英語における履修が可能です。
インターナショナルコース特有の科目として、世界で最も母語人口の多い中国語の授業もあり、第二外国語の習得を通じたグローバルマインドセット醸成の土台を作ります。
また中高を通じて、英語教育の成果を可視化するために、英語検定の積極的な受検を促す他、ケンブリッジ英検を毎年受検します。他にもIELTSやTEAPなども校内で受検が可能で、卒業後の進路に活かせる英語力の育成を図ります。
特色② グローバル教育
ケンブリッジ・イングリッシュ・スクール認定
2017年に認定されて以来、ケンブリッジ大学出版の教材を全ての学年で、クラス・コースによっては複数教科に渡り活用し、4技能バランスの取れたグローバルスタンダードの英語教育を提供しています。
毎年度ケンブリッジ英検を受検し、日々の学習成果を測ります。
ケンブリッジ・インターナショナル・スクール認定
2021年には、日本国内の国公立私立中高では初めて、ケンブリッジ・インターナショナル・スクールとして認定されました。これは英国ケンブリッジ大学の一部門であるCambridge Assessment International Educationが認定し、世界約160か国の約10,000校が認定を受けているもので、本校ではIGCSEからAS&Aレベルまで、一部カリキュラムに導入し、大学進学に活用するための試験の校内受験も可能です。特に、これまでイギリスの大学に直接入学することは日本の高等学校を卒業してもできませんでしたが、ケンブリッジのAレベルはイギリスのAレベルと同等に扱われているため、本国と同様の入学経路が可能です。
海外研修プログラム、国際交流プログラム
本校では様々な国際交流プログラム、留学プログラムを提供しており、生徒の興味関心に応じて様々な活動に参加することも可能です。
中学では、オーストラリアの中学校との交流として、オーストラリアからの中学生の短期留学の受け入れをしています。本校からは、インターナショナルコース以外の生徒が、夏休みに3週間オーストラリアの中学校に通学します。インターナショナルコースの生徒は同時期に、アメリカのスペースキャンプ・プログラムに参加します。
高校では、3か月留学制度を設けており、希望者は選考を経てオーストラリアの高校に3か月留学することが可能です。(現在コロナ過のため休止中)
2年次には、社会課題解決のためのプロジェクトを立ち上げるグローバル・プロジェクトに全員が参加します。世界様々な国において社会課題解決のプロジェクトを考え、主体的に取り組みます。
また、本校は世界の私立学校が参加するラウンド・スクエアに加盟しており、年に一度の加盟校によるカンファレンスに加え、世界各国の学校との交流を盛んに行っています。コロナ過だからこそできるオンラインでの海外との活発な交流を通じて、生徒が主体的に様々な活動に取り組んでいます。
特色③ 学習支援
放課後の時間を活用し、教員及び外部講師による放課後講習、自習室開放(図書館及び大学施設)、リクルート社による学習支援(自習室及びスタディサプリ)、卒業生である現役大学生チューターによる学習支援など、自律した学習者の育成のための支援を提供しています。
日本語が心配な生徒には、定期テストにも漢字のルビをふるなどの対応や、放課後に国語の補習授業などを実施しています(中学校のみ)。
また本校では、生徒一人ひとりに対して一台のパソコン環境と、それを活用するツール(教育用SNS、Microsoft Office, ロイロノートなど)を揃え、学習環境の充実を図っています。
全ての教室に電子ボード、Wifi環境、オーディオ機器を揃え、教員と生徒がオンラインプラットフォームを活用した学びの共有と深化を図る環境が整っています。
本校の生徒にとっては、プレゼンテーションをすることが日々の授業で当たり前であり、様々な授業や活動での取り組みの中でピアラーニングを進める中で、個々のスキルに留まらず、核となる論理的・批判的思考力、他者とのコミュニケーション力を醸成します。
コロナ過で通学が困難となった際には、速やかにzoomを活用したオンライン授業に切り替え、リモートでも学習を継続することが可能となりました。新たなスタンダードとなったオンラインを通じた学びは、コロナ過というピンチをチャンスに活かす機会となりました。
特色④ 探究学習
本校では、早くから探究学習の取り組みの充実を図ってきました。教科横断、更には学校という枠を越えた学びとなる探究の学びは、中学校から高校まで、段階を経る取り組みとして設定されています。
中学校では主にグループ学習の取り組みとして、地域の方との協働、国内における社会課題解決のプロジェクトツアーなどを行っています。高校では、国内外問わず社会課題解決に取り組むグローバルプロジェクトを実施しています。
更に高校では、2年間かけて論文を執筆します。個々がテーマ設定しそれについて探究をし、論文という形にするのですが、インターナショナルコースの生徒は英語で執筆することも可能で、その場合はケンブリッジ・インターナショナルのInternational Project Qualification (IPQ)のガイドラインに沿い執筆を進めます。
さて、今回の記事ではざっと概要をご紹介しました。
次回以降の記事では、更に詳細について発信していきます。